知り合いや先生の演奏会に行く時に渡す「差し入れ」
私も演奏会へ行って相手に渡すこともあれば、私自身が出演する演奏会でお客様から頂くことも多くあります。
その際に受け渡しされる品物は様々ですが、品物を選ぶ際のポイント、目安はあるのでしょうか?
演奏会やコンサートに行くのが初めてで、何を渡したらいいのかわからない、、
もう渡すのは慣れてるけど、参考にしたい。
という方々もいらっしゃると思います。
私の経験も含めながら、差し入れ選びのポイントやおすすめの差し入れなどをまとめてみました!ご参考にどうぞ!
差し入れ選びのポイント
お客様から頂く差し入れは、私はどんなものでも嬉しい。
わざわざ演奏会へ来ていただいただけでも嬉しいのに、差し入れまで頂いたら本当にありがたい気持ちになる。
ただ、その中でも更に喜ばれる差し入れにはいくつかポイントがあるのではないだろうか?
私が思う演奏会の差し入れの意味は、
「演奏会お疲れ様!頑張った分これでリラックスして楽しんでね!」
という相手に対する“ちょっとした気遣い“だと思う。
しかし、相手の好みがわからなかったり、どんなものを持っていけばわからない方もいるだろう。
そのような場合には下に当てはまるものであれば、基本的に大丈夫だと思われる。
差し入れを選ぶ際のポイント
- 軽い、小さい
- 日持ちがする&常温保存できるもの
- 袋付き(可能なら大きめ)
- 個包装、個別の差し入れ(複数人に渡す場合はそれぞれ個別のものにする)
- 好き嫌いが分かれにくいもの
- 適切な値段のもの、場に合うもの
軽い、小さい
楽器や本番にもよるが、演奏会当日の演奏家の荷物は意外と多い。
楽器、楽譜、ミュート、衣装(男女問わず)、水、譜面台、その他いろいろ、、、など演奏で必要な物を持って帰らなければならない。
そして、差し入れは1人だけでなく多くの人が持参する場合が多い。
差し入れだけでも荷物がパンパンになってしまうことはよくある、、、。(ありがたい悲鳴だけど笑)
したがって、演奏家の負担にならないように大型のものはなるべく控えて、コンパクトな物を選んであげると良いと思う。
ただ相手が車で来ていることがわかっていれば、多少大型でも大丈夫だろう。
日持ちがする&常温保存できるもの
先ほど書いた通り、差し入れはありがたいことに多くの方から頂く場合が多い。
ここでだいたい困るのが、日持ちしない食品が多い時。
頂いた方としては、
「全て賞味期限内に消費するために、今日明日でこのお菓子全部食べなきゃ、、」
となってしまう笑
また、演奏家がそのまま本番を終えて家に直帰するとも限らない。
要冷蔵のものは保冷剤があっても受け取る側としては扱いが難しい。
今日中に食べてね!
と言われても、もうお腹いっぱいだったり、演奏会後は打ち上げがあったりして帰るのが遅くなる可能性もある。
なるべく負担をかけないためにも日持ちがして、常温保存できるものが良いだろう。
袋付き(可能なら大きめ)
演奏会当日の演奏家の荷物は多いので、帰りはできるだけ持ち運びが楽になるようにしたい。
差し入れで品物を頂く時に袋がない場合、荷物の整理に時間がかかってしまってしまい、持ち帰る時の負担になりかねない。
個人差があるかもしれないが、私がいつもありがたいと思うのは、大きめの袋を持ってきてくださる方。
そうすることで他の差し入れも一緒にまとめて入れられるし、荷物の整理がしやすく持ち運びが楽になる。
袋は畳めるため、多少大きくても邪魔になることはあまりない。普段使いにも大きい目の紙袋はいろいろと便利だ。
出演者がたくさん差し入れを頂く場合は、少し大きめの袋を用意して渡してあげると、とても喜ばれるだろう。
個包装、個別の差し入れ
「ぜひ皆さんで分けてください!」
と頂く個包装になっていないお饅頭やお菓子、または箱を開けないと分配できないような物
これらは残念ながら基本的に“皆さんで分けられることはない“と思っておいた方が良い。
なぜなら、分けているような時間の余裕は演奏家やスタッフには残念ながら無いのだ、、。
演奏会の間はそれぞれの業務があるし、演奏終了後は撤収作業が待っている。
複数人に確実に差し入れを渡したい場合は、個別に品物を準備すれば全員に品物は行き渡る。
予算は上がってしまうかもしれないけど笑
もちろん全員分の袋と共に渡すのをお忘れなく!!
好き嫌いが分かれにくい物
例えば香水などの匂いのキツいものや、味にクセがあるものは、もしかすると受け取った側にとっては嫌いな物の場合がある。(または蕎麦や甲殻類などアレルギーを引き起こすものも要注意)
また、荷物に匂いが移ったり、電車などの移動の途中で臭ってしまう可能性があるので、避けた方が無難である。
ただ、もし相手の好みがわかっている場合は、もちろん渡しても大丈夫だろう。
適切な値段のもの、場に合うもの
個人差があると思うが、私が思う差し入れの相場はだいたい700、800円〜3000円ぐらい。
例えば、演奏会に招待していただいたり、お世話になっている方などの演奏会などは、お礼の気持ちも兼ねてもう少し1000円〜2000円上乗せしても良いかもしれない。(演奏会のチケットの値段にもよるが、チケット代と同じかちょっと多いぐらい?)
もちろん金額の上乗せは渡す本人の気持ち次第なので、どちらでも問題無いと思う。
ただ、基本的にいくら以上じゃないとダメという決まりは全く無い。
頂く差し入れの値段や品物の質で悪く思う演奏家はほぼいないはずだ。
差し入れはあくまでもおまけで、演奏家としてはチケット代を払ってわざわざ聴きに来ていただいただけでとても嬉しい。
そういう気持ちの演奏家の方がほとんどだと思うので、逆にあまりにも高価な物を頂いた場合は、演奏家が恐縮してしまう。
そして、これはクラシックの演奏会を想定しての話だが、演奏会の性質上、品物はできれば品のあるものの方がお互いに恥ずかしい思いをせずに済む。(具体的な品物は次のトピックを参照)
例えば、アニメキャラクターが全面に出たお菓子やおもちゃなどは、差し入れとしては少し場が違うように感じられるかもしれない。
おすすめの差し入れ例
では、実際にどのような差し入れが喜ばれるのか。
Twitterでアンケートを実施して、自分がどのような差し入れをもらうと嬉しいか多くの方に答えていただいた。(ご協力ありがとうございました!)
今回は質問②を参考にしていく。
結果はお菓子をもらうと嬉しい方が多いようだ。
私もお菓子を渡すことが多いし、頂く物もほとんどお菓子だ。
私の場合、いろいろな種類の中から次何食べるか考えながらお菓子を食べるのは、とても楽しい笑
もちろんお菓子以外にも差し入れとして渡されているものは他にもある。
私が見たり聞いたりしてきた中で、差し入れとして良さそうな物を詳しく記していく。
お菓子
先ほどのアンケートでも一位のお菓子。
実際受渡しされている差し入れの中でも、多く占めるのはお菓子だろう。
なんと言っても、無難で間違いが無い。
相手の好みもよくわからないし、何買って良いかわからないという方は、まずはお菓子をオススメしたい。
特にその中でも「フィナンシェ」や「クッキー」といった焼き菓子が多く渡される印象だ。
もちろんゼリーやバウムクーヘン、ドーナツといったものもあるし、人によっては煎餅やお饅頭などの和菓子も良いかもしれない。
お酒
相手がお酒を飲む、もしくは好みのお酒があるということを知っている場合は、お酒も良い。
私はとても喜びます←ここ重要!笑
ただ、お酒は重たいので大きいサイズのものは避けたい。
例えば、日本酒や焼酎の4合瓶(720ml)や、1合瓶が3つほど入ってるような飲み比べセットみたいなものは喜ばれやすい。(ただし冷蔵保存が必要な生酒は要注意)
これは私の実体験だが、、、
私が芸大の大学生だった時は、先輩や卒業生の演奏会の差し入れはいつも日本酒(1升瓶!)だった笑
1升瓶だと学生の予算内だとあまり質の良いお酒は買えないし、なにせ持っていく方も大変だし受け取る側も大変だ。
今もその伝統は続いているのかはわからないが、私の時は4合瓶の美味しいお酒をください笑
紅茶、緑茶、コーヒー豆
相手が女性などの場合はお茶類も喜ばれることが多いと思う。
特に良いお茶は普段買わない人も多いので、プレゼントとしてはありがたいだろう。
例えば、先ほど申し上げたお菓子とセットで渡すと、更に良いのではないだろうか。
ただ、カフェインが苦手という方もいるので、コーヒーなどのカフェインを多く含むものを渡すときは、事前にリサーチしておいた方が無難だ。
ハンカチや黒靴下
実はハンカチや靴下といった差し入れはあまり無いのだが、普段のちょっとしたプレゼントとしてはよくある物ではないだろうか。
ピアニストはハンカチを演奏会の舞台上で使うし、男性は舞台でスーツや燕尾服を着るので黒靴下を必ず着用する。
私は本番が続くと黒靴下が足りなくなって困るので、たくさん持つようにしている。
ただし、ハンカチの柄は派手ではなく万能的なものを選んだ方が良いのでは。
好みが分かれづらく舞台上でも使ってもらえる。
これらはプレゼントされても使い道がなくて困る物ではない。
そして非常にコンパクトで賞味期限もないので、優秀な差し入れだと思う。
入浴剤やパックなど
演奏会お疲れ様!というメッセージも込めて、このようなコスメ系の差し入れはいかがだろうか?
男性の私でも頂けたらすごく嬉しい!
どんな小さな演奏会でも、聴衆の前で演奏するというのはとてもエネルギーを使う。
そのエネルギーを補いリフレッシュするために、入浴剤やパックなどは非常に良いのではないだろうか?
ただし香水などは好みが分かれるので、渡す相手次第では要注意。
ちなみに私は本番前日は必ず湯船に浸かるという習慣をつけていて、本番に備えるという目的にも入浴剤は非常に嬉しい差し入れだ。
避けた方が良いプレゼント
花
普段演奏会へ足を運ばない方にとっては、これは意外ではないだろうか?
先ほどのTwitterのアンケートでも花に投票した方は1番少なかった。
演奏会や発表会などで、花束をお客様が舞台の下から渡すというシーンを想像できるかと思うが、演奏会の差し入れとしてあまり喜ばれないこともある。
もちろん花が好きという方もいるので、一概に花がダメというわけではない。
差し入れを渡す相手が花が好きな方の場合は、花はとても喜ばれるだろう。
ただ、家で花を飾らない方にとっては花は嬉しい反面、ネガティブなことも多いと感じる。
家に花瓶がない、、どうしよ、、、
花ってどうやって管理すればいいの、、、?
持って帰るの大変、、
という声はよく聞く。
出演者の中で花好きの方や車で来ている方に、各自もらった花束をまとめて持って帰ってもらうということを度々目にしてきた。
せっかくの差し入れなので、渡す前に相手が花好きかどうか知っておいた方が良さそうだ。
生もの、生き物
流石に差し入れで生きたカブトムシやカエルを渡す人はいないと思うが、一応書いておく笑
先ほどの差し入れ選びのポイントでも書いたが、
冷蔵、冷凍保存をしなければならなかったり、賞味期限が短いものは、お酒(生酒)も含めて避けた方が良い。
特にナマモノはその最たるものだと思うので、特に気をつけた方が失敗せずに済む。
アイスなんかの冷凍食品は溶けてしまうので、もちろんNG。
例えば、果物が好きな人に果物を差し入れする場合は、しっかり梱包された果物を渡すと良いかもしれない。
もしくは会場で渡さずに郵送するという手段もある。
家に着いた頃には荷物の中で傷んでしまっていたりすると、せっかくの差し入れがもったいない。
重たいもの、ワレモノ
こちらも先ほどの差し入れ選びのポイントで書いた通りで、もともと荷物が多い演奏家の負担になるような重たいものやワレモノは避けた方が良い。
例えば、一升瓶、瓶詰めのお菓子、大きめのジュース、グラスなどのガラス製品など。
どうしても渡したい場合は、郵送するのが良いだろう。
さて、色々と書きましたが、とにかく差し入れはどんな物でももらって嬉しいです!
渡すのに慣れていない方はあまり肩肘張らずに、軽いプレゼントのつもりで選んでいただければと思います。
もしこの記事が参考になれば、とても嬉しいです!
それでは!
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