音楽家に限らず何かを表現したりする職業には、自身に関わりのある公演案内や展示案内などを知人へお送りすることは、よくあることだと思う。
最近私も自分が出演する公演を、知人や友人などに直接ご案内する機会が多くあり、本当にたくさんの方に演奏会のお知らせをさせていただいた。
さて、実は多くの方々にお知らせする中で、私自身色々と気づかされる事、学ぶ事があった。
多くの方にお知らせしている中で思ったことは、
「たかが演奏会案内状、されど演奏会案内状」
という事。
今回はメッセージを「送る側」、メッセージを「受け取る側」の2つの視点から、私なりに思う“演奏会案内状”にまつわる注意点について書こうと思う。
メールの内容だけでなく、様々な注意点も書いたので参考にしていただければ幸いだ。
予め申し上げておきたいが、特定の誰かを誹謗中傷する意図は全くないので、ご留意いただければと思う。
過去にもこれからも私とメッセージをやりとりされた方がもしこの文章をお読みになられたのなら、それは声を大にして申し上げておきたい。
「芸術家たちの世界が、少しでもより優しい世界になる一つのきっかけになれば良いなあ」とただ願うばかりだ。
案内文を送る際の留意点
連絡は早過ぎず、遅過ぎず?
公演が情報解禁されたりチラシが出来上がると、世の中へ公演のご案内ができるようになる。
だいたい本番の2〜3ヶ月前か、もっと早い場合もある。
私の場合、まずは自分の親しい友人や家族、どうしてもお越しいただきたくて早めにご連絡を差し上げたい方々などからご連絡する。その後TwitterやインスタなどのSNSでの告知。
これは間違ってはいないはず、、、。
ただ、会社員のような規則的な仕事をされている方は大丈夫かもしれないが、私の周りにはフリーランスで活動している音楽家も多く、先の予定が不明な方は多い。
仕事が入るかもしれないし、そこに仕事が入らなくとも練習しないといけない事もある。
私はだいたい1ヶ月半前ぐらいからご案内の連絡を少しずつ始めたが、
仕事の予定が入らなければ、、、
というお返事をやはり頂いた。
逆に連絡が直前で遅すぎると、「もう予定が埋まっちゃってて、、、」という返信が増えてくる。
行きたくない時の断り文句の王道でもあるので、なんとも言えないところもあるが、そのタイミングの塩梅が難しいと感じた。
ご連絡する相手にも左右されるが、おそらく個別に連絡するなら1ヶ月前〜3週間前ぐらいがベストなのだろうか?
公演情報を簡潔に文章に載せる
これはもしかしたら意見が分かれるところかもしれない。
メールだとある程度長文でも可能だとは思うが、LINEやmessengerなどのメッセージやDMだと長文はあまり好まれない。
したがって人によっては、文章は軽い挨拶と連絡の主旨のみで、あとはチラシの画像で詳しい情報をお知らせしている方もいる。
私もそのタイプで、ごく最近まで詳しい内容は全てチラシ画像に任せていた。
しかし、ある時いただいた演奏会案内メッセージに、文章で簡潔に公演情報が書かれていたことがあり、画像を開く前にすぐに内容を理解できたので、良いアイデアだと思い採用することにした。
それ以来、
- 日時
- 場所
- 出演者
- チケットの金額
- チケット購入ページのURL(電子チケットの場合など)
ぐらいは、箇条書きでなるべく簡潔に書くようにしている。SNSの場合も同じく。
メッセージをやりとりする相手との関係性にもよるが、いかがだろうか?
逆に全部文章で画像を送らないというのは、案内される方も公演の内容を理解しづらいので、画像は必ず送った方が良いだろう。
案内文のコピペは必要最低限に
普段私が気をつけている事なのだが、複数人に同じ内容のメールやメッセージを送る時に、できる限りコピー&ペースト(=コピペ)の文章は必要最低限にしている。
なぜなら手紙と同じで、送る相手に対して誠意を尽くした文章にしたいし、受け取る側の印象も良いと思うからだ。
自分の演奏会にお越しいただきたいのに、脳みそを介さずにコピペしてパッと送信するのは少し礼儀を欠いているように思う。
例えばよくあるのが、普段タメ語で話していたりするのに案内文は敬語で書かれていたりすると、「この文章はコピペで、みんなに一斉に送ってるんだなぁ」とわかってしまう。
もちろん人それぞれに考え方はあると思うので、コピペだからダメだと言うつもりはない。
一斉送信だからといって、自分がそのメールを受け取って不快に思うこともない。
では、どこをオリジナルの文章にして、どこをコピペにすればいいのだろうか?
私が注意していることは以下の通り、
オリジナル文
- まず最初に、相手の名前+こんにちは等の挨拶
- 相手との間柄に合わせた語尾や言葉遣い
- その人と以前に何か関わりがあれば、その事を書く。久しぶりなら、お元気かどうか近況を尋ねる。
- 相手があまり音楽に詳しくない方であれば、公演の内容や概要を少し詳細に伝える。
コピペ部分
- 公演内容(日時や場所など)
大変に思うかもしれないが、ある程度の人数にメッセージを送ってくると、似た文章を打つことになってくる。
コツとしては、これから送る相手と過去似たような間柄の方へ送信した文章をそのままコピペして、その相手用に少しだけ修正して送ると、少しの手間で送れるようになってくる。
しかし、この少しの手間が大事な気がする。
メッセージを送った相手を控えておく
今はSNSもいくつか種類があり、主にはTwitter、Instagram、Facebookなどがある。
それぞれにDMの機能がついていて、各SNSでやりとりしている相手が異なる場合があるだろう。
さらにはLINEやメールも連絡手段の一つだ。
要は連絡手段が多様になったことで、誰にどのように連絡したか把握できなくなってしまうのだ。
- 同じ人に同じ内容で送ってしまう
- チケットを買ってくださる予定の方の把握漏れ
- どれくらい売れているか、わからない
- 連絡待ちの方や再度の連絡の約束を忘れてしまう
など様々な障害が出てくる。
連絡した方や、何か追加の情報があればメモをしておくと、ミスが起こりにくくなる。
ある公演で経験したことだが、
チケット購入される予定の方全員に再度連絡をしなければならず、当時は誰がいらっしゃるかきちんとメモをして把握していなかったため、送信履歴をたくさん遡るのが大変だった、、、。
演奏会終了後のお礼の連絡もするならば、なおさら把握しておく必要があるだろう。
おそらく皆さんにとっては結構当たり前なことを述べているような気がして恥ずかしくなってきたので、この辺で止めておく…。
案内文をもらったら
返事をする
メールの返信が遅くて、返信を忘れてしまう事もある私があれこれ言う資格は元々無いのだが、、、。自戒を込めて書き進める、、、。
演奏会の案内メールは返事が来ないことが、まあまあある。
確かに仕事のメールではないし、返事をしなくても何も問題は起きない。
もしかしたら演奏会の案内メールをメルマガのような感覚で考えている方もいらっしゃるのかもしれない。
他の方はわからないが私の場合は、どのような方にご案内するかをある程度考えて、年下だろうとどんな方にもご案内のメールを送る際は少し責任を感じるというか、勇気を出して送っている。
「自分が出演する公演に貴重な時間を割いてお金まで払って来ていただくお願い」と考えれば、送りづらいし、やはりただのメッセージを送る感覚とは異なってくる。
そういう感覚で送っているので、やはり返事がないと少し寂しいという気持ちと、まあしょうがないかぁという諦めの気持ちが入り混じる。
そして同時期にたくさんの方に集中して同じような内容の文章を送っていると、返信で色々と学ぶ事も多い。
活躍していたり、この人デキるなぁと思っている人はやはり返信が早い傾向にある。いらっしゃる、いらっしゃらないに関わらず返信内容に丁寧さを感じる。
仕事のメールでもない、ただの案内メールだからこそ、意外とその人の気持ちや人に対する扱いが無意識に現れやすい。
私も普段から気をつけてはいるが、返信忘れや返信が遅れることがよくあるので、気をつけようと思う。。。
断り文句に気をつける
演奏会のご案内をいただいても、既に用事があって行くことができなかったり、もしくは行くのがあまり乗り気ではない公演もあるのは当然だろう。
その場合、送ってくださった相手にはお断りのメールをしなければならないが、断り方も人によって様々だと感じる。
- 仕事やレッスンなどの予定が入っているために来れない
- 理由はわからないが、来れない
- スケジュールを確認する→追加連絡は無し
- 予定が未定
- 「いいね」などのスタンプのみで返答
だいたいこのようなお返事をいただくことが多いように思う。特に「スケジュールを確認する」という“暗黙の断り文句”が私にとって少し新鮮で、使う方も多いように思った。
元々予定が入っていて演奏会に伺うことができなければ、正直にその旨を伝えれば良い。
しかし問題は、興味は無いけど予定が空いていて行けてしまう時ではないだろうか笑
興味がなくて乗り気ではない事を直接は伝えられないし、もしそんなことをしたら人間関係にもヒビが入ってしまう。
ましてや、行くと言いながら無断で行かないというのはもっての他だ。
おそらく先述の“暗黙の断り文句”もこういう理由から発生したものだろう。
皆さんはどのように返答するのが、1番誠意ある返答だと感じるだろうか…?
さらに、丁寧な方は「演奏会に行きたかった」「いつも誘ってくれてありがとう。また何かあれば誘ってほしい」「演奏会のご盛会をお祈りする」などの追加の1文も添えられていることが多い。
もし予定が未定で行けるかわからないのではあれば、それを知らせて、分かり次第きちんと再度連絡するのが大事だと思う。
ここまで書いて、つくづく自分も面倒臭い性格だなあと思えてきた…笑
ただ、自主公演のリサイタルなど規模の小さい演奏会では、聴衆に身内が多いのはよくあることだ。
プロアマ問わず演奏家同士、自分が出演する演奏会をお知らせする事が多い中で、みんなが気持ちよく音楽活動できるようになれば良いなぁと思う次第だ。
それでは!
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