最近色々と本番とかが立て込んでて、前回からだいぶ日が空いてしまいました、、、。
前回は10の留学のメリットについてお話ししました!(前回の記事はこちら【10の留学のメリット】留学へ行くべきか迷う人へ①)
今回は反対に10の留学のデメリットについて書こうと思います。
内容的にはデメリットだけではなくて、どちらかと言うと留学に関する注意点みたいなものも入ってると思います。
私が書いていることが、全ての方に当てはまるわけではないと思いますので、参考程度に見て頂けましたら幸いです!
以下、注意事項です。
・文章が長いため、目次をお使い下さい。
・基本的な内容は、ドイツの音大への留学を目的とした、長期的な音楽留学について書いています。
・もしかしたらドイツ以外の国とは状況が異なる可能性もあります。なるべく留学全般に共通する内容になるように努力しますので、参考になりましたら嬉しいです。
留学のデミリット
目次で内容はバレてしまっていると思いますが、もう一度。
10の留学のデメリット
- 日本の人間や社会と疎遠になる可能性がある
- 希望する場所で勉強できるとは限らない。理想と違うかも。
- アクティブに行動しないと、得ることも少ない
- 準備や情報収集を怠ると、収穫が少なく、大きな事故が起きる
- 事前にある程度まとまったお金が必要
- 外国語の生活で、ストレスや挫折、事故が多い
- 食べたい物が食べられない
- 場合によっては生活環境・水準の低下
- 孤独
- 外国人扱い。場合によっては差別や偏見を受けることも
日本の人間や社会と疎遠になる可能性がある
これはまさしく今、私が実際に経験していることです笑
頻繁に日本に帰っていれば、このようなことも起こりにくいかと思います。
ちなみに私の場合は、1年に1回帰るか帰らないかのペースでした。これが多いか少ないかはわかりませんが、頻繁ではありません。
私は留学している間に、様々な理由で何度かは日本へ一時帰国しました。その度に、なるべく多くの方々に会う努力はしていました。
しかし、次会うのはまた一年後とかになってしまうので、段々とたくさんの方との距離感が離れて行っているなぁという寂しい印象を受けました。
そして、やはりSNSで近況を知っているとはいえ、周りの学生時代の仲間達はいつの間にか社会に出て立派な社会人になっているのを間近で見て、浦島太郎のような感覚でした。
日本に完全帰国してからは、初めてお会いする方や久々にお会いする方も多く、刺激的な毎日です。そしてもちろん、留学する前の人間関係の広さと深さを取り戻す努力をしなければと日々感じています。
帰国後日本で仕事をしたり生活をすることを考えているのであれば、ある程度は日本で起こっていることに関心を向けたり、人間関係を維持することの努力が必要なのではと思いました。
希望する場所で勉強できるとは限らない。理想と違うかも
日本でも同じことですが、大学に入学するのには試験があります。
留学準備のためにドイツへ来る方はたくさんいますが、もちろん全員が希望する大学に入れるわけではありません。受験者は当然ドイツ人だけではなく、我々日本人と同じように多くの国から留学生がたくさん来るので、受験者のレベルがすごく高いことも度々あります。
年によっては、入試はあるけれど教授が抱えている生徒数が満員なので、今年は学生を取れません、もしくは多くても1人という場合もあります。(音楽大学以外でこのような事態が起こるのかは知らないのですが、どうなのでしょうか?)
そして、基本的には専攻楽器全体での順位ではなく希望する教授ごとの受験者の順位で学籍を与えられるか決まります。(もしかしたら大学や専攻によっては異なる場合もあると思います。)
例えば、つまりヴァイオリンの受験者全員の中では成績が良くても、希望している教授に対しての受験者の中では成績が下の方だと不合格ということもあります。
トロンボーンの場合は、教授は1人が普通なので、全体の中での成績がそのまま合格不合格の判断につながります。
ドイツの音大の受験事情は大体こんな感じです。
このような状況の中で大学に入る事なく、そのまま帰国してしまった方々もいます。そしてやっとこさ入学してからも、自分が思っていた勉強ができない可能性は十分にあります。
実は、私も様々な理由により大学院を1度転校しました。(私は運が良く、また最初から大学院での勉強を始めれましたが、場合によっては編入というところもあるようです。)
苦労して留学の準備をしても、このような事は起こりうるので、予め知っておいた方が良いと思います、、、。
アクティブに行動しないと、得ることも少ない
先ほども書きましたが、留学では壁にぶち当たってばかりです。
そして自発的にアクティブに行動すればするほど、その壁に多くぶち当たります。
人間やはり壁にぶち当たることはめんどくさいし怖いので、なるべくその状況を避けたり逃げがちです。
例えばせっかく留学しても、日本人のコミュニティーの中でしか人間関係を持たなかったり、ずっと家に籠ってセミナーや授業に積極的に参加しなかったりすれば、日本にいるのとほぼ変わらない状況になってしまって、留学の意味はどんどん薄れていきます。。。
私も大学の授業に参加した時にドイツ語が全然わからなくて、気まずい思いをしたことがあります。それこそ飲み会に出て、ほとんど周りが何言ってるかわからなくて空気のような存在だったこともあります。
でも、今思えば参加してよかったことが大半です。
日本人が誰1人いない飲み会に参加する時も、もしかしたら少しだけ勇気が必要かもしれませんが、仮にうまくコミュニケーションできなくても、何かしら得られる経験があるはずです。
もちろん言葉や文化的な壁を克服することも大事ですが、参加してること自体が偉いんだと自分を奮い立たせて、とりあえず色々と参加していました。
その勇気を持った積極的行動をすればするほど、得ることも大きいと私は留学を通して感じました。
腰が重い場合は、何もやらないよりはマシぐらいのつもりで、一つずつ行動してみて下さい。案外始めてみると、うまくいったり楽しかったりします。
準備や情報収集を怠ると、収穫が少なく、大きな事故が起こる
おそらく留学を挫折する原因の中で、多くがこれに当てはまる気がします。
上記でお話しした通り、留学は何事においても積極性が大事だと思います。でも実はもう留学前から、それは試されているのではないでしょうか。
というのも、海外の大学で勉強するというスタートラインまでに、既に様々なハードルがあると私は思っています。
私の場合もそうでしたが、とにかく準備と情報集め、手続き諸々が大変でした。しかも日本語ではなく、英語や現地の言語が必要な場合もあるため、情報が合っているのか分からなかったり、時間がかかったりします。
例えばざっと思いつくだけでも、
- 語学学校探し
- 入試の申し込み(大学によって手続き方法、期限は異なる)
- 習いたい教授とのコンタクト(これ意外と大事)
- 家探し
- ビザ取得
- 携帯契約
- 住民登録
などなど、様々な準備や手続きがあります。
初めてのことだったり言葉がわからなくて、他の人に頼ったり質問しなければならない、ということが当然多くあります。
でも例えば、このようなわからない事をわからないままにしたり、行動が後手後手に回れば、もちろん勘違いや事故が起こりかねません。しかも日本語ではないので、何か起こった時に自分で処理するのがすごく面倒で困難な場合が多いです。
もちろんわからない事は全て人に頼って聞け、というわけではありません。自分でできるところまで行動し、わからない事は聞いてみて解決する。
そういうハードルを乗り越えれるかどうかで、既に留学できるかどうかのふるいにかけられているのではないでしょうか。
、、、あーだこーだ偉そうに話していますが、私もこういう手続きや準備が非常に苦手で、いつも期限ギリギリです。。。本当に人のこと言えません。
私が留学する際(している間)にも、本当にたくさんの方に助けていただき留学をすることができました。本当に感謝です。
事前にある程度まとまったお金が必要
前回学費が安いとお伝えしたドイツですが、もちろんお金が必要な時もあります。
ドイツでお金が必要なことといえば、ビザの取得です。
他の国もそうかもしれませんが、ドイツでビザを取得したり更新する際には、ドイツの銀行もしくは外国人局が認可している銀行(オンラインバンキング等)の口座に、ある程度のまとまったお金があることを証明しなければなりません。
1年ごとの更新の為に約130万円(もしくは最低でも半年更新で65万円)ほどのお金を持っているということを外国人局で証明します。
この準備したお金は誰かに支払うわけではなくて、持っていることさえ証明できれば良いので、実質マイナスにはなりません。
ちなみに私が渡独した5年前は、この大金は必要なくて、親の所得証明のみでよかったのです!したがってドイツの口座に大金を準備する必要はなかったのですが、現在はこの所得証明は使えなくて、必ずお金を準備しなくてはなりません。(一応裏技もあるにはあるんですが、それはまた別の機会で、、、)
ビザの更新頻度や証明に必要な金額は、おそらく州や担当者によって差はあるとは思いますが、私が住んでいたヴュルツブルクはこんな感じでした。
話はそれますが、ドイツはその日の担当者や担当者の気分によって、大きく状況が変わることが多々あります。そして役所の人間は基本的に無愛想です。したがって、持参する書類はなるべく確実にOKが出るものを準備したほうがスムーズです。
もし留学を考えるのであれば、留学先でかかる費用を事前に調べることをお勧めします。
外国語の生活で、ストレスや挫折、トラブルが多い
海外に住むならば、当然その土地の言語を勉強しなければなりません。
また大学に入学するには語学の資格が必要な場合が多いので、専攻とは別に勉強が必要です。
前回の記事であるメリット編でも申し上げましたが、新たな言語の習得というのは、最終的にはプラスになることばかりだと思いますが、それまでの道のりは長く険しいかもしれません。
私が語学に関して1番嫌だったことは「電話」です。
ドイツではメールよりも電話が好まれることが多くて、何か問い合わせする時は電話してと言われることが多いです。
相手が外国人に対して寛容な方であれば問題ないのですが、いつもそうではありません。時として意地悪だったり、容赦ない方もいます。(終始ずっとケラケラ笑われて会話にならないこともありました)
そういう時は非常に傷付きますし、語学ができない自分にも苛立ちを覚えますが、そういうことは海外にいれば割と多く起こります。
それでも友達とは楽しく会話はできていましたし、やはり海外の人と話せることはすごく良いと私は思います。
ただ日本語のように何事もスムーズにいくわけではないということは、知っておくべきかもしれません。
食べたい物が食べられない
私の中での、ドイツ生活での大きなデメリットといえば、食にありました。
- 魚介類が高価、そして品質が悪い(たぶん海沿いはまた違うかも)
- 基本的に薄切り肉が無い(肉屋で頼めばしてくれるらしい。スーパーの肉は基本的にブロック。鶏ももは骨つきなので、解体する必要あり)
- 食べたい日本の食材は高価、もしくは入手困難、存在しない(例えば、納豆、たらこ、厚揚げや油揚げ、美味しい焼酎、酒、アンパンとかの柔らかいパン、、、等々)
- 外食は基本的に高価
- ラーメン屋は大都市にはあるけど、高いし私は満足できなかった
もちろん都市によって手に入るものとかは異なります。
魚介類食べたい時は、私は缶詰めばかり食べてました。日本でよくある「〜の素」「これを入れればすぐできる!」みたいなのもあるけどあんまり美味しく無いので、基本的にほぼ最初から自分で作るものが多いです。
もちろんコンビニ、弁当屋や牛丼屋もないです。メジャーな気軽にできるテイクアウトは、ケバブとか焼きそばぐらいです。
しかし食にあまり興味ない方は、ここら辺はあんまり苦にはならないかもしれませんね。
場合によっては生活環境・水準の低下
エアコン、不安なく飲める上水、ガスコンロ、バスタブ、、、
ドイツに住んでいて、家に欲しかったものたちです。
日本だと割と標準装備されているものばかりですが、ドイツだとある程度大きい家じゃないと無い印象です。
逆にドイツは「オーブン」が標準装備なことが多いので、ピザとかケーキとかオーブンを使う料理をするにはすごく便利です。
水道水は飲めることには飲めるんですが、あんまり美味しくないですし多くの石灰を含んでいて、あまり健康的でない気がしていて私はあまり飲まないようにしていました。(洗ったグラスとかも、そのまま乾かすとけっこう白くなります)
浄水機(ブリタとか)を使って飲んでる方も多いと思います。私はミネラルウォーターを買ってました。
バスタブは無いので、毎日シャワーです。銭湯とか温泉も基本的にはありません。サウナなら探せばあるかもしれません。
私はお湯に毎日ゆっくり浸かりたい派なので、毎日シャワーだけだとなかなか辛かったです、、、。
そして、家を探す際の話です。
日本とは違って学生はシェアハウス(ドイツ語でWohngemainschaft、略してWG)に住んでいる人が非常に多いです。
そしてシェアハウスに住むのにも、現住民による面接選考があったりと、家を探すのにも一苦労です。
場合によっては家がなかなか見つからなくて、シェアハウスの狭い部屋や環境があまりよくない家にとりあえず住んで、家を転々とするということもあるかもしれません。
あと半地下の部屋とかもけっこう存在しますので、部屋が暗くてカビ臭いとかいうこともあります。
もしお金に余裕があるのであれば、日本の会社が行っている日本人向けの海外不動産を扱ってるサイトとかもあるので、そこで物件を探すのも良いかもしれません。
しかし、あまりおすすめしないのは、現地の日本人向けの不動産業者。
もちろん全てが悪いとは思いませんが、詐欺まがいな事が多いです。
支払った代金を未払いと言われたり、仕事が遅くて且つ間違ってたり、顧客の情報管理がずさんだったりと、私も被害に遭いました。
一見、日本語だけで物件が手に入るので楽に見えますが、トラブルが起こりやすいので気をつけた方がいいです。
孤独
今の時代はSNSやLINEなどの無料通話アプリあるので、いつでも日本の友人とは会話ができますが、それでも留学したばかりの頃は孤独を感じることが多いと思います。
私も留学したばかりの頃は、日本の人たちとよく電話していました。SNSも頻繁に利用してました。
しかし、留学先で段々とその場の環境に慣れていき、人間関係も広がっていったので、その孤独も徐々に薄れていきました。(もちろん交友関係を広げる努力は必要ですが。なんだかんだ私もこの手のことは苦手です。)
私の場合は、最初は語学学校の寮に住んでいたので、同じ寮に住んでいた人たちとまずは友達になりました。そして、同じベルリンに住む日本人たちとも徐々に知り合い、少しずつ知り合いが増えていった感じです。
孤独も時として人間を強くするものだと思いますので、まずは最初は日本人でも良いので、焦らずゆっくり知人を増やせれば良いのではないでしょうか。
外国人扱い。場合によっては差別や偏見を受けることも
ドイツは移民や難民が多いので、外国人に対する考え方、状況は日本とは少し異なるかもしれません。(最近ドイツも外人の受け入れに反対する人も増えてるみたいですが、、、)
しかし、自分の国ではない以上、外国で滞在するにはビザや永住権が必要だったり、労働許可証などの証明書類も必要です。もちろんそれらを取得するのも一苦労です。
日本で日本人として生活しているとあまり想像しづらいかもしれませんが、日本で外国人になったつもりで考えてみるとイメージしやすいかもしれませんね。
私の留学経験の中で、表立って差別的な行動をされたのはおそらく1度だけです。
街を歩いていたら、学校帰りの小学生ぐらいの集団に「中国人!コロナ!」と指さされながら大声で言われ、バイ菌扱いをされました、、、。
当時はコロナがドイツで流行り出したばかりで、コロナが中国からやって来るっていう感覚がまだ強かった頃の話です。やっぱりちょっと悲しい気持ちになりましたね。
またヨーロッパの人から見ると、アジア人はみんな中国人に見られるので、差別の有無に関わらず、とりあえず「ニーハオ」と挨拶されることは多々あります。(とは言っても、いきなりニーハオと言ってくる人の大半はこちらを馬鹿にしているような感じですが、、、)
あと自分がアジア人という理由で一応身の安全を気をつけたのは、ワールドカップでドイツが韓国に負けた後 笑
ドイツ人のサッカー愛は本当にすごいです。ワールドカップ期間中はお祭り騒ぎです。
どの国にも(もちろん日本にも)頭のおかしい人は多少なりともいますので、何か言われても気にすることは全くないし、基本的には常識のある人ばかりだと思います。しかし、そのような事が稀にあることは、身の安全のためにも、頭の片隅に置いておいた方がいいかもしれませんね。
、、、以上です。
記事を書いてからの感想ですが、メリットを書くのは簡単だったんですが、デミリットを書くのはなんだか難しかったです笑 それほど留学は魅力あることなのだと思います。
ただお伝えした通り、楽しいだけの留学ではないので、どのような事に気をつけて留学すれば良いのか、知っておくことも大事なのではないでしょうか。
次回は「留学の準備」ということで、留学に至るまで私がどのように準備をしていったかを書きたいと思います。
それでは!
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